6:00起床。美しい有明。モモさんは既に起きていて玉子焼きなど作っていた。早速おむすびを握る。とはいっても、実はおむすびを握るのは苦手である、というか、今まであまり経験がないことに気付き、いろいろ手ほどきを受けながら不恰好な代物を何個か仕上げる。具は、鮭マヨネーズ、昆布、鮭味噌、野沢菜ふりかけ。鮭味噌のやつを朝飯代わりに食べ、デミ夫で一路高尾山へ。Jonathan Richmanを聴きまくりながら例えばデフ・レパードと比較してみた場合の話など。順調に9:00頃到着するが、紅葉シーズンである上に高尾山で開催されているもみじ祭というのが重なっているせいか、付近の駐車場は全て満車状態で右往左往する。参道の食堂の駐車場で箒がけしていたおばあちゃんに頼み込んで滑り込みセーフで何とか駐車。それにしても高尾山はもの凄い人足。登山コースは各種あり、その中でも水の雰囲気を感じるびわ滝コースを選択。最初は余裕綽々だったが、パーカー1枚にコンバースのスニーカーといういでたちはやはり山を舐めすぎていた。修行者が水行をすることで知られるびわ滝付近で徐々に寒くなり、タオルを首に巻いてマフラー代わりにしフードを被って何とかしのぐ。すぐに空腹になっておむすびを食べる。しまいには上から流れてくる川自体が道になっている箇所もあり、スニーカーを濡らしながら最後の難所、地獄の階段を登り切ってちょっと足を笑わせながらも山頂着。約90分弱の行程であった。早速茶店で地酒「高尾山」をカップで買って昼食。美味い。人間たまには山の上で飯を食わなくては理解できないことが沢山ある。それにしても高尾山のカップボジョレーの瓶に負けず劣らずの洒落たデザインであった。高尾山のカップボジョレーを飲む、あるいはボジョレーの瓶に高尾山を詰めるというのもアリだ。直売所でアケビシメジ(ムラサキシメジ)を買う。気付いたら帰りはいつの間にか薬王院コースという観光地丸出しのコースを歩いていた。仏殿から老若男女のお坊さんが10人くらい出てきて、祈祷のために練り歩く。先頭のほら貝の「ラ#−−↑ファ↓ラ#↑ファ↓ラ#−−↑ファ−−↑ラ↓ファ↑ラ↓ファ−−」という旋律がどことなくインドネシアっぽく、読経のドローンが始まってしばらくしてからその旋律がおもむろに戻ってきて被さるところも非常に効果的で心を動かされた。烏天狗の足が外反母趾だったことや、天狗の鉄の高下駄が商業主義まみれだったことなど、いろいろ学ぶところも多い。途中からはリフトで降りることにして絶叫マシーンばりのスリルを味わう。山麓に降り立つと、もみじ祭の設置ステージで林家木久蔵に似た人が皿回しの大道芸を披露していたので立ち止まって堪能する。車に乗り込んでさらに西へと移動。途中、相模湖畔で陰影の濃い紅葉と湖面に反射する陽の光を眺め、さらに南下して「五感の里 薬師の湯」へ。管理の行き届いていない愛のない保養所みたいな建物でにわかに不安になる。館内に悪趣味な仏像美術館はあるし、というか全般的に悪趣味な空気が充満してるし、何故か調べていった値段と違って高いし、景色の悪い露天につかっていると上の食堂から天麩羅の臭いが漂ってきて全てを台無しにするし、隣にいる髭面の爺さんはカーペンターズの「イェスタデイ・ワンスモア」を延々と熱唱してるし、どことなく満足度が足りなさ過ぎるので何故かと思っていたら、目当てのとこと違う温泉に入ってしまって最後まで気付かなかったのであった。正しくはその近所にある「藤野やまなみ温泉」であった。何たる失態であろうか。まあ、ぬる湯に長時間つかって身体はぽかぽかになったので、気を取り直して帰途に着く。Bob Dylanのブートレッグシリーズを聴きまくりながら例えばスピッツと比較してみた場合の話など。後はバッハのゴルトベルクを聴いて明日の予習をしながら途中何度も心地よい睡魔に襲われながらも18:30頃無事三鷹着。駐車場から京王ストアに歩いてゆく途中、北東の空に季節外れの花火大会が繰り広げられているのに気付いて唖然としながら見物。かなり近い場所だが、どこで誰が何の為にやってるのか。帰って、ざる蕎麦と惣菜の天麩羅で夕食。アケビシメジと葱のマヨネーズ炒めをつまみに清酒「越の誉」を傾ける。