犬の多い月の綺麗な夜道を歩いていると、月色に輝く駝鳥のような巨大な飛べない鳥が道の真ん中に立っている。怖いので避けて通ろうとすると追いかけてくる。こちらが走れば向こうも走る。顔はアヒルのそれで首を地面と水平に伸ばしてパクパクやりながら追いかけてくるので、「あッ、噛まれる」と思う瞬間が何度もあり冷や汗をかくが、僕の背中から10センチくらいのところをキープしているので決して噛まれないのだった。やがて道に山羊が現われると、そっちの尻を追いかけてふらふら行ってしまったのでホッとして逃げる。